あさお日記

常日頃感じていること、好きなものや出来事を心に浮かぶままに綴っていきたいです(メインブログ)

マーベラスミセスメイゼル、見終わりました

Amazonprimeビデオで

マーベラスミセスメイゼル」を見終わりました。

裕福な家庭で育ったユダヤ人の若い人妻が、夫に浮気をされたのを機にスタンドアップコメディの世界に飛び込んで、様々な試練を乗り越え大成功する…簡単に言ってしまえばこんなストーリーだ。

時代は1960年代が中心。

主人公を演じる女優が美しく、スタイルも良い。

雑誌から抜け出したような洋服をとっかえひっかえ着こなして、ゴージャスなマンション(日本のマンションとは比べられない本物!)に住み、これまた裕福な友人に囲まれての素敵な毎日。

アメリカの富裕層の家庭をこれでもかと見せつけてくれる。

主人公の家庭は父親が大学教授で母親が専業主婦。住まいにはメイドさんがいて、家事の全てをやってくれる。離婚して実家に戻った主人公には惨めさの欠片もなくて、華やかな生活を謳歌する様子が描かれている。

こんなに裕福な家庭のお嬢様なのに、夜は場末の酒場の舞台に立つ。

 

裕福なアメリカ人達が皆こんな生活を送っていたかどうかは知るよしもないが、印象的だったのが家族総出で出かける夏のサマーキャンプ。

食事やアクティビティが全て込みのオールインクルーシブみたいなものなのか、そこそこのコテージを一軒ずつ借りて、夏の別荘ライフを楽しむ。

ボーリング、身体を動かすゲームにダンスに花火大会、ミス○○の選出にボート漕ぎ、楽しむことに皆真剣なのだ。

元夫も同じソサエティの住民なので、あちこちで顔を合わせる。

元夫は洋服の縫製工場を営む裕福な夫婦のひとり息子で、彼こそが当初はスタンドアップコメディの世界での活躍を夢見ていたのだが、運命は皮肉だ。

彼には自分で演じるセンスを持ち合わせていなかった。

 

主人公が飛び込んだショービジネスの世界もまた努力や根性、才能だけでのしあがっていける世界ではなかった。

 

大御所芸能人にうまく利用され

ひょんな事から知り合った有名な歌手には引き立ててもらうも

アンタッチャブルな部分に触れたことがきっかけで追放される目にも合う。

アンダーグラウンドの酒場では

拍手を浴びるもテレビの世界ではなかなか目が出ない。

男性社会の中でのおみそ扱いも時代のせいか。

 

マネジャーとの友情も話の柱になっていている。

マネジャーもインテリではあるが裕福な家庭の出身ではない。

2人が伴走、亀裂、疎遠、復活する様子が数々のエピソードを重ねることによって語られている。

 

 

元夫が中国系アメリカ人医師と深い仲になったり

主人公もショービジネスの先輩と(一回は勢いで寝てしまうものの)プラトニックな恋愛関係を続けてみたりとすったもんだあったが全編を通して元夫婦の揺るぎない人間としての愛情を感じた。

例えるなら戦友のような。

 

主人公が最後に、表舞台のキラキラとしたテレビのショービジネスの世界での成功を手に入れた場面では涙がツーっとながれた。

よくここまで、頑張ったわねといつの間にか応援していた。

 

ショービジネスの成功物語としては面白い。本当に面白い。

 

気に入らなかったのが、言葉の汚さ。兎に角f××kという言葉が多すぎる。

裕福で教養ある家庭で育っても

あんなに連発するのか。ちょっと耳障りだった。

それから元夫との間に生まれた2人の子供の世話や心配をするシーンが少なすぎる。

 

夜は舞台に立ち、巡業にも出るが子供を置いていく時の気持ちの葛藤などの描写は描かれなかったように思う。

 

(だから2人とも問題のある大人に育ってしまう場面が描かれているわけだが)

 

専業主婦に収まる器ではなかった女性のアメリカンドリームの話。裕福な暮らしでも満たされない部分があると気づいてしまった人が自分の手で掴みとった夢の先には何が見えたのだろうか。