4年前の事だ。
世の中にコロナが蔓延する少し前、大型客船で感染者が出たことをどこか違う国での出来事のように感じていた頃。
いつものように駅前のコーヒーショップでゆっくりとコーヒーを飲んでいた☕️
「ヨイショ」とこれ見よがしに大きな声で、70代位とおぼしき男性が隣に座った。
目が合ってしまったので軽く会釈をすると男性はグイグイ話しかけて来た。
○○病院行きのバスはどこからでるんですか…
私はこう見えても一級建築士でね…
何せ遠い街から来たのでこの辺の地理には疎いなどなど…。
面倒くさいおじさんに捕まっちゃたよ、と心の中で舌打ちしながらもしょうがないなぁと相槌をうち続けた。
いい加減解放して下さい、と思っていた時に男性は何を思ったのか
「君みたいな若いもんが午前中からこんなところでコーヒー飲んでるなんて勿体ない、仕事をしなさいよ」といい放った。
「はぁ?(若いもん?もう50代も半ばだよ!)」
初対面なのになんなのこのおじさん?
コーヒーショップでいきなり話かけるか普通?
くやし紛れに
「夫の収入が良いので働く必要性を感じないんです」と言い返した。
凄い負け惜しみだ😁
男性は「そう言うことじゃないんだ、人間、体の動くうちは…」
と話を続けたそうだったが、
アドバイスありがとうございます、と頭を下げて本を読む姿勢を取った。
その日1日私は不愉快だった。
一方で、今の私の気持ちをズバリ言い当てられたようで狼狽えもした。
一週間、頭の中で「仕事をする」
という言葉がぐるぐる回っていたが、ついにハローワークを訪れてしまった。
前の職場でパワハラにあってからというもの、人の下で働くということに嫌悪感を覚えて9年が経とうとしていた。
ハローワークを訪れた事が仕事を探すきっかけになり、ネットでパートの仕事を見つけた。
トントン拍子に話が進み今の仕事を始めて3年5ヶ月になる。
70代くらいの男性と会ったのは亡き父の一周忌の3日前だった。
この話を知人にすると、5人が5人とも「それは貴方の亡くなったお父さんがプラプラしてないで、また仕事でもしたらどうだって伝えに来たんだね」口を揃えて言うのだ。
私の性格をわかった上で、煽れば再び動き出すって思ってた?
ねえ、お父さん。